KYORITZの歩みは戦後間もない1950年、
舞台演出に魅了された
創業者と
その仲間達の同好会活動からはじまりました。
学園祭イベントなどの照明を手掛ける学生ベンチャーとして創業。
機材も情報も乏しい戦後日本の舞台演出の世界に飛び込んだ若者達は、
幾多の試練を乗り越えながら瞬く間に専門技術を吸収しました。
駒澤大学の講堂は空襲による焼失を免れたことから、イベント開催の場として頻繁に利用されるように。機材も技術者もいない講堂でのイベントに駆り出されたのが創業者の尾内則道でした。ジャガイモの缶詰の空き缶を利用した手作りの機材で照明を行い、イベント全般の照明を担当するようになりました。
尾内を中心として生まれた電気美術研究部(通称「電美」)は、プロの裏方を務める気鋭の集団として注目され、のちに美月照明研究所を開設。舞台照明を中心に仕事の枠を広げ、東京都体育館などの大型会場の照明も手掛けるようになっていきます。この美月照明研究所こそ、当社の直接の前身団体でした。
テレビ局との契約獲得を目指し、会社を設立。
株式会社として新たなスタートを切りましたが、同業他社の下請け業務を受ける苦しい船出でした。
それでもくさることなく一つひとつの仕事を実直にこなし、テレビ照明の技術を獲得していきました。
歴史的なイベントとして今でも語り継がれるビートルズ来日公演。その模様は日本テレビが中継を行い、その照明業務を共立が担当しました。
ビートルズ来日公演の中継はまだ初期段階だったカラー中継での収録でした。4,000ルクスという高い照度が必要という条件の中、機材を集め・設置できる人材と技術力を、当時の共立はすでに備えていました。
照明以外にも、音響から美術、企画制作まで任されるようになり、
舞台、テレビの総合商社として社名を「株式会社共立」に改名。
子会社設立や地方進出により、グループ企業としての形態を確立していきました。
海外のアーティストの来日公演が盛んになってきた当時、彼らは専属の機材と照明オペレーターを持ち込みました。新しい機材や技術に目を見張った共立の技術者たちは、早速そのシステムや知識を取り込み自分たちの技術に加えていきました。
東京厚生年金会館の管理業務で培った舞台技術ノウハウを蓄えていた当社は、自治体が建設する文化施設の舞台管理業務を積極的に受注。その後、日本の主要都市に次々と厚生年金会館が建設され、当社は舞台技術の管理業務を一手に請け負い、同時に地方進出を果たしました。
業務の幅が広がったことを機に共立グループを再編成し、新たに映像部門へ進出。
音楽祭や博覧会など、世の中の注目が集まる各種大型イベントを成功に導きました。
テレビドラマを中心に制作していた株式会社生田スタジオの求めに応じる形で共立映像を設立。右も左もわからない手探りの状態の中、生田スタジオやテレビ局、映像関連会社の方々からアドバイスを受けながらのスタートでした。
1987年には共立へ併合しましたが、その後2007年に「株式会社共立映像」として新たに設立しました。
共立ビルや当時使用していた倉庫に照明・音響機材が収容しきれず、神奈川県厚木市に280坪の土地を購入し、3階建ての厚木機材センターを完成させました。その後、更に増え続ける機材を収容するため、近隣の倉庫も借りることに。
2017年にはロジクロス厚木テクニカルセンターへ移転し、現在は3,000坪のフロアで10万点もの各種機材を管理しています。
バブル崩壊による経済不況の影響を受けるものの、財務の健全化に努めると同時に、
顧客密着型の営業体制やIT化の整備などに注力。着実に業務の幅を広げていきました。
本社オフィスが手狭になり近隣にオフィスを借りていましたが、近くで売り出されていた民家を2軒購入。それぞれの建物は「BY・FY」と呼ばれ、BYは現在も共立の管理本部のオフィスで、人事担当者もここに出社しています。その後、BYは2005年、FYは2016年に建て替えをしました。
営業管理ソフトの構築を皮切りにIT導入に力をいれました。受注、社内部門間の発注、経費のオンライン確認までできるようになり、さらに厚木センターへの光回線の導入や各テレビ局の担当課へのVPN設置などを行い、ペーパーレス化を推進しました。
共立グループに関わるすべての人が満足できる事業活動を継続していくために。
労働環境改善や地球環境保全をはじめ、社会的責任を果たすための挑戦を重ねました。
働き方改革をはじめとした各種法改正など、舞台技術業界を取り巻く環境は日々変わっていきます。当社では勤怠管理システムの導入や各種教育を実施して、労働環境を整えています。その他、社員のエンゲージメントの更なる向上を目指して「エンゲージメント向上プロジェクト」を発足するなど、より良い労働環境を目指して日々進化し続けています。
新規機材やシステムの導入、指定管理者制度やPFI事業への取り組み、厚木センターの移転および機材管理システムの開発・導入など、時代の流れと共に当社の事業や設備は進化し続けてきました。これからもエンターテインメント分野の総合技術会社として、進化するKYORITZであり続けます。