HALL
MANAGEMENT
番組の劇場公開収録に参加したことがきっかけでエンタテインメント業界に興味を持ち、専門学校では幅広く舞台に関する学びを深める。
その中で舞台機構を操作する面白さに魅了され、劇場やホールなど様々な文化施設のマネジメント実績を持つ当社を志望する。
劇場をはじめとする文化施設に常駐し、演劇やイベントの主催者側が希望する空間演出を実現していくのが、私たちホール管理の仕事です。各種機材や設備を貸し出したり、主催者側が手配した舞台監督や技術スタッフと打ち合わせをしたり、下見に同行して懸念点をクリアできるよう解決策を検討したり。そして迎えた本番では、舞台機構のオペレーターとして、照明や音響を固定する「バトン」や「トラス」の昇降、床機構の操作などに従事します。誰よりも舞台の特性を知るホール管理のスタッフとして、主催者側の要望を最大限に尊重しながらも、安全を第一に、はっきりと意見を伝えることが欠かせません。要望に危険がともなうと判断した場合には、その理由とともに代替策を提案するなど、経験にもとづく臨機応変な対応を心がけています。
入社後まず配属されたのは、オランダ発の「ステージアラウンドシステム」を備えた劇場です。1300席もの巨大な円形の客席が回転し、360度全方位を使ったステージで物語が展開する。アジア初の劇場に世界中から注目が集まる一方、現場は多発するトラブルに翻弄されていたことを覚えています。自ら操作する舞台機構にこれまでに発生したことのないエラーが生じて公演が中断し、頭が真っ白になってしまったことも。チーム一丸となって迅速にトラブルの原因を突き止め、経験豊富な先輩たちの的確な判断をもとに対処する。無事に公演を再開させた時の安堵感と達成感は、今なお忘れられません。ボタン一つで舞台を動かすホール管理の責任の大きさを実感すると同時に、観客の皆さまを世界観に没入させる仕事に誇りを持つ、貴重な新人時代となりました。
舞台機構を操作する当日の朝は、今でも緊張で背筋が強張ります。休演日などの空き時間に練習を重ねたり、頭の中で何度もシミュレーションしたりと、本番直前まで調整を怠らず、自信を持って一つひとつの舞台に臨むことができるよう努めています。今後の目標は、引き続き個人としてのスキルアップに努めることに加え、どんな困難にも一丸となって立ち向かう、最高のチームづくりに携わることです。ホール管理の仕事は、決して一人では成り立ちません。同じくホール管理に従事する仲間はもちろん、演者や舞台監督、技術スタッフなど様々な人の想いを一つに、唯一無二の舞台をつくり上げていく必要があります。だからこそ、お互いを尊重し合える最高のチームをつくり、人々の感動を生む舞台を生み出し続けていきたいです。
私が勤務するホールでは1ヶ月以上にわたるロングランの舞台が多いため、休演日以外は基本的に毎日同じ公演に携わります。1日2公演の開催が多いですが、オペレートとスタンバイで役割が分かれていますし、早番の日には早めに退勤して友人と会うなど、メリハリを大切に働くことができます。
これまで数え切れないほどの試練を乗り越えて来られたのは、ともに働く仲間たちがいたからです。経験豊富な先輩方に支えられて、新人のうちから実践経験を積み、失敗を重ねながらも着実に成長してきました。チーム力は、どんな現場でも極めて肝心です。だからこそ学生のうちに、アルバイトや部活動など、様々な場面でチームの重要性を体感してほしいと思います!